ポケロペンチオという軍団

日々のあれやこれやをなんやかんや

TV・漫画・アニメ テレビ ドラマ 恋愛 生活

「凪のお暇」実写ドラマ放送開始記念。漫画「凪のお暇」のココが面白い!

今日からあの「凪のお暇」がTBSの金曜10時枠にてドラマ放送が開始されますね。しかも、ゴン役が中村倫也きゅんとはね。

中村倫也さん、結婚してください。

凪のお暇は、2017年から連載されている漫画で、

節約が趣味の28歳OLの主人公・大島凪は、常に空気を読んで周囲に合わせて目立たず謙虚に振る舞い、くせ毛を時間をかけてストレートに整えるなど女子力の高い自分を作り上げていた。ある日、凪を蔑む同僚たちの陰口を知り、さらに隠れて交際している慎二が性行為目当ての旨を彼の同僚らに話しているのを目撃し、過呼吸で倒れる。以後、会社を辞め、家財を処分し都心から郊外へ転居、全ての人間関係を断ち切った凪は、ゼロから新しい生活を始める。

凪のお暇 - Wikipedia

てな、お話です。

凪のお暇との出会い

その頃の私は、体調も心の調子も悪いし、恋愛も仕事も、もっと言うと自分の人生自体、何もかもがうまくいっていなかった。自分が生きている意味が分からなくなっていた。(後々知ったけど、こういうのをクォータークライシスと言うらしく、多くの人が20代後半に陥る「人生の岐路」というやつだ。)

↓この記事でその調子の悪かった頃のことを書いています。

できるだけ自分の病気のことや経験は話したいと思っている①〜適応障害と診断されるまで(1)〜

そもそも人生に意味なんてない。地球や宇宙の歴史やその壮大さを考えれば、人間1人の人生なんてちっぽけなものだ。でも、なぜだか生まれてしまった私たちは、常に、安心感、充足感、幸福感を感じて生きていきたいと思っている。富が欲しい、地位が欲しい、名声が欲しい、愛が欲しい。これは全て、そのもとをたどっていくと、同じ所に行き着くわけだ。

具体的にどうすれば人が幸福感を感じるかなんてそれぞれなので、自分の人生は自分で作っていかなければならないし、模索していかなければならない。そういう中で、後付け的に意味が発生するのだろうけど、、、おっと、だいぶ脱線しましたね。

2017年に1巻が出始めたころ、偶然「凪のお暇」と出会いました。確か当時、cakesで1巻発売記念と名売って、数話を読めた気がします。

その数話を読んで恥ずかしながら思ったのです。「私のことが描いてある」と。(この歌、、、私のこと歌ってる、、、的な。)

人生どん詰まりで色々なものを失っていた私はこの漫画を読んで、自分のことを肯定してもらっている気がしました。何も持っていなくても大丈夫。いつだって自分の幸せは自分で作っていけると。

すぐに、1巻を購入して、それからは新しい巻が出るたび、すぐに購入するくらい、ここ数年で1番ハマっている漫画です。

そんな凪のお暇の魅力を簡単に紹介したいと思います!若干ネタバレなところもあるかもしれませんのでご注意を。

凪のお暇、ここが面白い

どう転がっていくかわからないストーリー展開

序盤読んでいると、「これは日常系なのか?」と思えるかもしれません。各話タイトルも「凪、暑さに溶ける」「凪、散歩をする」など。

いきなり扇風機を拾ってきてDIYしたり、すいとんを作りだしたり(このすいとん、すぐにマネしたなー)、失業手当をもらいに行ったりと、お暇中の凪ちゃんの日常を覗く漫画のように一瞬見えます。(出てくるエピソードがいちいちリアルで細かい。そしてそれが面白い。)

しかし単にそれだけではないんです。そういった日常での出来事がきっかけで、過去のことを思い出したり、色々な人と出会ったり、最終的に凪ちゃんは自分自身と向き合い、自分がどうなっていきたいかを考えていきます。今まで固定概念に縛られていて身動きが取れていなかった凪ちゃんが少しずつ変わっていくのです。つまり、大人の成長物語なのです。

「恋愛」とか、「仕事」とかにフォーカスを絞った物語ではなく、「人生」という大きな枠をテーマにした物語なので、先が全然読めません。だから続きが気になるー

一筋縄ではいかないリアルな恋愛模様

先ほど言った通り、この漫画のテーマは(たぶん)「人生」なので、恋愛は一つの要素にすぎません。恋愛していく中で起こったことも、凪ちゃんが自分はどうなりたいかと考える一つのきっかけになります。現実の恋愛もそうだと思うのです。恋愛を通して自分を見ているのだと。そんな様が実にリアルだなと思います。

急にいなくなった凪につきまとう元彼シンジと、隣に住む天性の人たらしゴンという2人の男性が出てきます。

この2人との恋愛模様が描かれているのですが、この2人がそれぞれクセがすごい!そのクセ具合が本当にこういう人いるようなーと思うようなリアルさなのです。

その2人との関係性もわかりやすいように、どっちかとくっつくよなーって感じでもないのです。

まあ、とにかく読んでみてください!2人それぞれとの関係性が面白いので。

色々な人たちとの出会い、気づきを得ていく凪ちゃん

今までは分かりやすい模範的なと言いますか、いわゆる「普通」の生活をしてきた凪ちゃん。たぶん触れ合う人も自分と同じような境遇の人たちで、自分と異なる境遇の人とはそんなに触れ合って来なかったと思います。

人生をリセットして引っ越してきたアパートは安くてボロいアパートです。

上の階に一人暮らしをしているおばあさんがいます。服装はみすぼらしく、自販機から小銭を拾ったり、パン屋からパンの耳をもらったり、豊かな生活をしているとは思えない様子です。

そんな様子を見て、凪ちゃんは、自分もそうなって、寂しく生きていくのでなないかと思ってしまいます。

しかし、そのおばあさんと実際に触れ合ってみると、おばあさんは一人暮らしのボロアパートの中を素敵なホームシアターにし、映画を手作りのパンの耳ポッキーとともに楽しんでいることを知ります。

はたから見ればおばあさんは豊かとは言い難い生活をしているように思えますが、実は、ちょっとした工夫で生活を豊かに楽しんでいたのです。

それがきっかけで凪ちゃんは自分もそんな風に工夫して生活を楽しんでいこうとします。

そんな感じで、毎話毎話いろいろなタイプのキャラクターが出てきて、なるほどなーと思わせるような気づきを与えてくれます。

生活の中にあるちょっとした楽しみや幸せを見つける

凪ちゃんの唯一の趣味が「節約」というところも、あるある感があって、いいなーと思うのですが、私からすれば、凪ちゃんは節約が趣味というよりは、生活のちょっとしたことを楽しむことができる能力を持った人だと思うのです。

先に書いたすいとんとか、ゴーヤの食べ方、イワシのフリッター、手作りのアクセサリーなどなど、生活のちょっとした工夫やアイディアが漫画の中に出てきます。

それが物語が進んでいく中で、アクセントと言いますか、小休止になって、ほっこりするんですよね。そして、すぐ真似したくなる。

きっと作者のコナリ先生がそんな方なのだろうなと思います。

とにかく面白いから読んでほしい。そして、漫画の魅力を引き立てるようなドラマになってほしい

派手なことは起きません!お金持ちや超イケメンや芸能人とかと偶然知り合って、なぜか2人は惹かれあっていく、、、ことはないし、すごい能力があってそれで色々な問題を解決したりもしません。

起こることは至って地味だし、でもだからこそ多くの人が共感できる内容だと思うのです。

模範的な生き方に沿って、地道に堅実に生きていけば幸せという時代がなくなりつつある今。それぞれの幸せやそれぞれの生き方をオリジナルで考えて作っていく必要性がより強まっている気がします。哲学でも昔から問われている「幸福とは何か」という問いを、個人レベルで探求していくのって、ほんと大変だよなーと思います。

でも、この漫画を読むと、幸せというのはちょっとした気づきなんじゃないかと思えてくるのです。幸せの青い鳥が実は家の中にいた的な。もともと自分の中に幸せになるヒントはあって、それに気づいてないだけというか。

そんなこんなで色んな要素が絶妙なバランスで混じり合い、素敵なセンスで描かれている漫画「凪のお暇」、「みんな違って、みんなダメだし、みんな違って、みんな幸せになれる。」という希望を感じさせてくれる作品で、現代の大人たちにおすすめです。この絶妙な感性がちゃんとドラマでも表現されればいいのですが、、、楽しみにしてます!

-TV・漫画・アニメ, テレビ, ドラマ, 恋愛, 生活