できるだけ自分の病気のことや経験は話したいと思っている⑦〜適応障害になった原因を考えてみる〜
前回のあらすじ
適応障害から体調が回復するまで思ったよりも時間がかかり、休職してから1年半経った最近になってやっと安定してきた。そして、その間にどういった過ごし方をしていたか紹介した。
できるだけ自分の病気のことや経験は話したいと思っている⑥〜なかなか治らない適応障害。どうやって過ごしていたか。〜
適応障害になったストレス因は何だったのか?
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。(中略)ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。
適応障害|病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
適応障害はある特定のストレス因により、諸々の症状が出ると言われています。休んでいたこの1年半でそれが何だったのか考えてみました。
睡眠不足&ナルコレプシー
睡眠についてはこのシリーズで何回か話をしましたが、なぜそれを何度も言うかといえば、睡眠不足が適応障害になった原因の一つだと思うからです。
会社を辞めてから自分がロングスリーパーであることに確信を持ち、それからは毎日9時間以上は寝るようになりました。会社勤めしていた頃は、平日にダラダラしたり好きなことをする時間も作ろうとするとどうしても睡眠時間が5~7時間になっていました。
そうなると、とにかく眠くてだるい、スッキリせず気分も悪い、調子が悪いから普段ストレスに感じていることがよりストレスに感じる、ということが起こっていました。
これだけで十分、なんてことない日常生活の質が下がりますよね?
さらに、睡眠不足によって、色々と健康が害されたりすれば、ただ、生きてるだけで辛い状態になりかねないわけです。
加えて、私の場合ナルコレプシーを持っているので、睡眠不足だと尚更その症状が悪くなります。
そのため日々、眠気との戦いになっていました。眠気を軽減するための薬は飲んでいたもののやっぱりしんどかったですね。
睡眠不足→体調が悪くなるし、持病も悪化→気分も落ちる→その状態自体がストレス、という感じでしょうか?
相性が悪すぎるオフィス環境
適応障害になった時に勤めていた前職のオフィスは、古いけれど、多分、一般的なタイプのものでした。しかし、私はそれが決定的に合わなかったのです。
- 窓が小さい、少ない、開かない、外の空気を吸えない
- デスクが向き合っていて、向かいの人の顔が見えるし、近い
- 仕事する場所は自分のデスクだけで、違う場所で仕事をできない
- 上二つの点と上司のデスクの場所の関係で、すごく見張られている感じがして落ち着かない
- 上司が一日中結構でかい音でラジオをかけているが、イヤホンを使用することは禁止されているので、ラジオの音で疲れる
- 激しい独り言を言う人がいる(今までの経験上オフィスに必ず1人以上いる気がする)
- 休憩スペースはあっても狭くてゆったりできない
これを並べても、多分大体の人が、「え、それって普通じゃん」と思うでしょう。しかし、このオフィス環境が決定的に合わなかったです。オフィスにいるだけでストレス!
その前に勤めていた前々職のオフィスは、上にあげたことを全てクリアした環境だったので、オフィス環境についてはストレスを一切感じませんでした。
一般的なオフィス環境でも、それに耐えられる人もいれば、私のように耐えられない人もいるということなのだと思います。
裁量のない裁量労働制
私は裁量労働制で働いていました。今まで3社経験しているのですが、そのうち2社は裁量労働制でした。そして、この両方で起きていたのが、裁量のない裁量労働制です。
裁量労働制は、いくら働いても給料は一定額です。これは「いくら働いても」なので、極端なことを言えば一日に1時間働こうが、10時間働こうが給料は変わらないです。理屈で言えば。
成果さえ出していれば、何時から何時まで働くということを決めるのは労働者自身です。ここの部分が労働者側のメリットに本来はなるはずです。
しかし!
前職では、なぜか、始業時間が決まっていて、それを遅れると大勢の人の前で、「遅刻だ。」と上司から注意を受けるという状態でした。(さらに、前々職では、遅刻だと注意される上に、2時間以上決められた時間より遅く来ると、有給を半日分使わなければならなかった。ちなみに、裁量労働制は半休という概念がない。なぜなら、いくら働いても、、、、なので、たぶんこれって違法です。)
今思えばそんな違和感を感じるなら、「いや、裁量労働制なので遅刻ではないです。ビシッ」と言えばよかったと思います。でも、そんな勇気なかったんですよね。
そのくせ、終業時間については甘く、職場の残業はひどいものでした。私はそんな雰囲気の中、どうにかあらがって、なるべく早く帰るようにしていました。しかし、みんなげっそりしながら残業している横を通って、平気で帰れるほど、強いメンタルを持っていなかったのです。付き合い残業をすることもしばしばでこれが本当にきつかったです。
「裁量労働制って、残業代を定額でしか支給しない代わりに、労働者側に働き方については裁量を持たせるというメリットを与えて、なあなあにするという制度じゃないの?」と思っていることも言えず、不満に思いながら働く日々は思いの外ストレスになっていたのでした。
通勤時間
前職での通勤時間は往復2時間20分くらいでした。
お金を貯めるために実家から通っていたのですが、しんどかったですね!
学校まで10分程度の大学生時代、自転車で15分程度の1社目時代の時と比べると、やっぱり通勤時間が長いことはすごくストレスになっていたとわかります。
以上のことが主なストレス因かと思います。
この他に考えれば考えるほど細かいストレス要因を思い出せるのですが、まーそれは置いておきましょう。
ここに書いてあることを読んで、「何甘えてるんだよ!世の中そんなもんだろう。」と思う人がいると思います。
以前、友達に「そもそも通勤というものが辛い」と言ったら、「何言ってんの?」と返されたことがありました。
でも、やっぱり、ここに書いてあることは私個人にとっては真実なんですよね。
最後に、、、
主に適応障害になった経験について書いた「できるだけ自分の病気のことや経験は話したいと思っている」は今回が最終回です。
その時その時で思いついたことを書いていたので、脱線したり、まとまってない部分もありますが、今のところ言いたいことは大体書けたかなと思います。
適応障害になったことにより、それまでは考えが及ばなかった物事について、考えたり、知ることができたことは、よかったことだったなと、今になれば思えます。
また、それまでは気づいていなかった健康の大切さを知りました。多少無理しても休めば治るし、健康は無限だと思うところがあったのですが、そんなことはないとよくわかりました。だんだんと回復してきて、健康なだけで、気持ちも穏やかになれて、それだけである程度幸せだということも知ることができました。。
また、「一般的」とか「普通」というものが、必ずしも自分にとってそうではないということがよく分かりました。頭では分かっていたはずなんですけどね。なんだかんだ言って、「みんなと同じでありたい」という気持ちが自分の中にあったということなのだと思います。
でも、自分は自分でしかないし、誰かになれるわけではないです。今後は、無理をせず自分なりのベストを尽くすということができるようになっていきたいと改めて思いました。