アメリカのドラマ・シェイムレスが放送されている現代を生きていてよかった
アメリカのドラマ「Shamless(邦題:シェイムレス 俺たちに恥はない)」を皆さんご存知ですか?
今1番、世の中の人に見てもらいたいドラマです。
アメリカ本国では現在シーズン9まで放送されていてるドラマシリーズで、元々はイギリスのドラマのリメイクらしいです。
日本ではWOWOWで視聴することができ、2019年3月現在、シーズン8が放送されています。
【2019/10/20追記】
WOWOWでのシーズン9の放送予定がやっと決まりましたね!11/2(土)午後3:55から第一話が先行無料放送されます。(つまり、WOWOWに入ってなくても、衛星放送見れる方なら無料で見れちゃいます。)絶対見るべし。
シェイムレス9 俺たちに恥はない | ドラマ | WOWOWオンライン
どんなドラマかと言いますと、、、、
愛と笑いと涙とエロ満載のちょっぴり下品な過激ホームドラマ。シカゴのサウスサイドを舞台に、なんでもありのハチャメチャな一家が格差社会をたくましく生き抜く。
シェイムレス8 俺たちに恥はない | ドラマ | WOWOWオンライン
合ってる!合ってるのだが、この言葉だけでは表せない奥深さがシェイムレスにはあります。
まずはギャラガー一家を紹介
父・フランク
無職(基本的には)・アルコール依存気味で、ドラッグ大好きな廃人状態のおじさん。でも、なぜかいろんな意味でやる気があるというか、金や女が絡んでくると積極的に頑張ったりする。
シーズン8では、今までの人生を顧みて、品行方正な生き方を始めだす。しかし、、、
長女・フィオナ
ギャラガー家の実質の大黒柱。どうしようもない父と母の代わりに弟・妹たち働きながら育ててきた愛情深い姉。性に奔放でよくビッチ扱いされている。
シーズン8では、シーズン7で不動産運用した結果手に入れたアパート経営に奮闘する。
(シーズン9を最後にフィオナを演じるエミー・ロッサムはシェイムレスを降板するそうです。寂し~)
長男・リップ
兄弟一の秀才で、唯一大学に進学し、そのまま貧困層から抜け出すのかと思いきや、アルコール依存症が原因で大学を強制退学になってしまう。女とアルコールに振り回されっぱなしなモテ男。
シーズン8では、アルコール依存仲間の問題に首を突っ込んで思わぬ方向に転がっていく。
次男・イアン
同性愛者。双極性障害のために問題を起こしてしまうこともしばしば。色々な出会いや経験の末に救命士として働く道を見つける。
シーズン8では、子供や若いホームレスのためにシェルターを作ろうと頑張るが、あるきっかけでフィオナと対立することになる。まだ理由は明かされてはないが、最近様子がおかしい。
次女・デビー
高校生で子供を妊娠するがその相手からは逃げられてしまいシングルマザーとなる。娘のフラニーが可愛い。
シーズン8では、自立した女性になるべく、バイトをしながら溶接技術を学んでいる。
三男・カール
一時はギャングに憧れ、未成年ながらにドラッグや銃周りの商売を行ったり、暴力沙汰が多い問題児であったが、元カノの父親の勧めで陸軍学校に入学する。
シーズン8では、学費を稼ぐために、犯罪すれすれの商売を始める。それきっかけでヤバめな彼女ができる。
四男・リアム
父も母も白人なのになぜか黒人感強めの小学生。(血の繋がりとか関係なしにちゃんとギャラガーの一員であり、みんなから愛されているということがこのドラマらしさを象徴してる。)
シーズン8では、フランクの策略で金持ちの子供が通う私立学校に通うが、そのバックグラウンドから学校側からいいように利用される。
お隣さんのケヴィン、ヴェロニカ、スヴェトラーナもなかなかぶっ飛んでて面白いです。
日本人にこそ見てほしい!
シェイムレスはWOWOWの引用通り、確かに「エロ満載のちょっぴり下品な過激ホームドラマ」だし、紹介記事を探すとその部分ばかりフィーチャーされがちです。
しかし、風刺のきいた社会派ドラマな一面もあります。
シェイムレスを見ればアメリカで巻き起こっている様々な問題や事情を知ることができます。
このドラマで一貫して取り上げられているテーマは、貧困、経済格差で、それに加え各シーズンでその時の世相を反映するような問題が取り上げられています。
(その時の世相が取り上げられているコメディーという点でいうと、ある意味こち亀っぽい?)
シーズン8の中で取り上げられている具体的な事柄を、思い出せるだけあげると、ドラッグ、アルコール依存、孤独死、犬の殺処分問題、LGBTQ、同性愛夫婦の妊娠出産、若者のホームレス、移民問題、人種差別、シングルマザーの子育て、IT技術の進歩による失業などなど、、、
確かにアメリカだもんな~と感じる事柄も多いのですが、私たち日本人に関係のないことではありません。
これらは近い将来日本にも起こりうること(例えば、移民問題や人種差別、若年ホームレスなど)や、表立って多く語られていなかったり、最近になって扱われるようになったこと(経済格差、様々な依存症、LGBTQ、子育て問題など)のはずです。
(数々の問題がこんなに身近にあるということを認識すれば、いつからか日本に広まっている自己責任論が危険を孕んでいるということだと理解できるのではないでしょうか。)
こういった数々の社会問題がブラックユーモア交えながらコメディとして昇華されています。
例えば、最近見たエピソードの中で印象に残ったコメディシーンは、次女のデビーがモーニングアフターピルを手に入れるために奔走する回での一コマです。
(そもそもこんな内容がドラマで取り扱われることが日本ではないので驚きますよね。)
モーニングアフターピルは、行為があった時から72時間以内に飲まなければ意味がないので、タイムリミット目前に友達たちと協力して手に入れようとします。
しかし、タイムリミットぎりぎりにドラッグストアに飛び込むと、店内は人でごった返しており、これでは、手に入れるのに間に合わなくなってしまう!
と思ったら、一人のイスラム系の友達が、店の中でイスラム教のお祈り(?)的なものをし始めます。
そうするとそれを見た客が、「テロだ~」と騒ぎ出し店内から客が誰もいなくなります。
そのおかげでデビーは無事ピルを手に入れることができるのです。
めちゃくちゃエッジが効いてるブラックなギャグなのですが、イスラム教だから、イスラム圏出身だから、という理由で偏見の目で見られている人々は現実にいるのです。
不服の精神でギャラガー一家は前進していく!
ここまで、結構まじめっぽい話をしてしまいましたが、結局このドラマは、ドラマ作品として、俳優も脚本も演出も音楽も諸々最高ですし、見ていてたくさん元気をもらえます。
ギャラガー一家は数々の問題を抱えつつも、いつだって人生を諦めません。いい時もあれば、悪い時もある。どん底に落ちたってどうにか這い上がろうとするのです。
家族ってなんだろう?愛ってなんだろう?人生ってなんだろう?そんな風に思う方には何かヒントになるかもしれません。
最後に、加瀬亮がドラマに寄せたコメントがこのドラマの本質を的確に表していると思ったので、それで今回の記事は締めます。
フランクは聖人だ。そして「シェイムレス」は現代のすべての人のバイブルであってほしい。 加瀬亮
シェイムレス8 俺たちに恥はない | ドラマ | WOWOWオンライン
後書き
筆者ひらめはシーズン5から見ています。本当はシーズン1から全て見たいのですが、DVDは日本語版が存在しておらず、一度英語音声で見てみようと思いやってみましたが、英語が難しい・速いで全然聞き取れませんでした(´;ω;`)
なので、どうか、DVDでも配信でも良いのですが、是非ともシーズン1から準備してもらいたいものです。
そのくらい最高のドラマです!!