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この配信停止は誰のためですか?ピエール瀧の件で思うこと。

この件の真意を本当に知りたいので、今の時点では批判を含んだ疑問形なわけではなくて、純粋な疑問として、映像の配信停止やCDの出荷停止は誰のためにするのだろう?と思うわけです。

ピエール瀧がコカインの使用で逮捕されたというニュースが昨日からずっと流れています。

ピエール瀧や電気グルーヴに何か特別な思い入れがあるわけではないけれど、電気グルーヴが結成された時期と同じ頃に生まれた私にとっては気づけばそこにいるおじさん状態の存在でした。

ポンキッキーに出ていたピエール瀧、「夢でキスキスキス」と言っていたピエール瀧、全然テレビで見なくなったピエール瀧、オラフのピエール瀧、気づけば俳優として大成していたピエール瀧。

数年前に偶然知人からもらった電気グルーヴのVOXXXくんのキーホルダーも、抵抗なく家の鍵用になったのはピエール瀧がそんな存在だったからなんじゃないかと思います。

俳優としてのピエール瀧のことを思い返したときに一番印象に残っているのは、NHKのドラマ「64」です。

主演のピエール瀧自身がはまり役だったなと思うのもそうですが、てか、このドラマが本当に素晴らしい作品でした。

臨場感のある映像やその表現。キャラクターの心情やその場面の雰囲気をもり立てる音楽。熱量のあるリアルな俳優の演技。(段田安則の演技に震えた。)

作り手の情熱を感じる作品で、毎週楽しみにしていた記憶があります。

今回、この事件で気になったのはそこなんです。

ピエール瀧の逮捕に伴いNHKは「64」の配信を停止したらしいのです。(NHKは過去の作品だからと言っているらしい。参考:https://www.excite.co.jp/news/article/Careerconnection_10707/

それだけでなく、NHKのサイトにいって片っ端から調べたけれど、どこにも「64」の情報はなく、まるで存在すらしていなかったのような扱いになっていました。

(ちなみにこの作品には新井浩文も出演していた。彼の事件の際にはこのような対応はしていなかったらしい。)

ピエール瀧の逮捕に伴い、出演映像作品の配信停止、CDの出荷停止、公開予定の映画の対応協議中などのニュースを他にも目にしました。

Apple Musicはどうなっているんだろうと気になったので見てみると電気グルーヴの作品はまだ配信していたので、とりあえず「Shangri-La」を流しながらこの文章は書いています。(「まだ」という表現が正しいかは分かりませんが。)

今までもそうだけれど、芸能人が何かしらの問題を起こした時の周囲の対応は本当にそれで良いのかな?と思わせることが多々あります。

(確かに、そうしておけばどこからも文句が出ないからだろうなとは思いますが、、、そもそも、その発想ってどうなの?)

被害者がいるような事件を起こしてしまった場合や、配信停止などの対応しなければ、誰かが傷ついたり、誰かの権利や尊厳を奪うことが起きる可能性があるのなら慎重になる必要もあるとは思います。

今回の件は、私の想像力では、そうしなければ困る人の存在が思い浮かばないのです。

むしろ、出演映像作品の配信停止、CDの出荷停止、映画の公開中止のデメリットならぽんぽんと出てきます。

ピエール瀧が携わってきた音楽作品、映像作品はどれも多くの人の働きのおかげで出来上がっているもので、もしかしたらその人たちが命を削るような働き方で作品が完成している可能性だってあります。

その人たちの苦労や思いはどこに行くのでしょうか。

そして、受け取る側の人たちもそれをすごく楽しみにしていたかもしれません。日々の楽しみを取り上げられたら、味気ないですよね。

違法薬物を使用することはいけないことですし、完全に犯罪です。しかし、違法薬物を使用して逮捕された人が出ている作品はいけないものではありません。

犯罪を犯してしまった人から何もかも奪おうとする風潮があるのだとしたら、それは見逃してはいけないよな、と思っています。

今回の件では、同じような思いを発言をしている人をテレビやネット上でも見かけるので、わざわざ言うことでもないかもしれないですが、援護射撃になればいいなという思いと、モヤモヤが止まらないのでここに記しておきます。

Photo by Frank Okay on Unsplash

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